ホームページに、AIの受付と編集助手がやってくる。Cloudflare・EmDashで変わる小さな事業の発信
NEW9月18日公開※内容は運営者が考え、AIで整えています。

夜9時半。ようやく今日の仕事が終わったのに、スマホにはまだ問い合わせが残っている。
「初めてでも参加できますか?」 「何を持っていけばいいですか?」 「次の開催日はいつですか?」
どれも大切な質問です。でも、答えはホームページに書いてある。返信を終えたら、今度は来月の告知を更新しなくてはいけない。
お客さんと向き合いたくて始めた仕事なのに、画面と向き合う時間ばかり増えていく。
ここまでの場面は、仕組みを身近に考えるための架空のストーリーです。教室やお店、地域活動を運営している方なら、似た状況を思い浮かべるかもしれません。
もし、ホームページに「AIが利用できる受付」があり、裏側には「記事づくりを手伝うAI」がいたら。
そのための道具が、Cloudflare(クラウドフレア)にそろい始めています。
この記事で紹介するのは、WebMCP、EmDash(エムダッシュ)、Cloudflare OS。名前は難しくても、役割は「受付」「編集室」「仕事場」と考えると分かりやすくなります。
WebMCPは、ホームページに「AIが使える受付」をつくる
例えば、参加希望者が自分のAIにこう頼む場面を想像してください。
この教室のサイトで、初心者向け講座の日程と持ち物を調べて。
人ならページを開き、メニューを押し、必要な情報を探します。AIにも同じことをさせると、画面のつくりを読み解く手間がかかります。
そこで、サイト側から「講座を探す」「案内を取得する」といった道具を渡せたらどうでしょう。
AIは、どのボタンを押すかを推測する代わりに、用意された道具を使えます。これは、入口で迷う人に受付窓口を案内するような変化です。
MCPは、AIと外部の情報・道具をつなぐ共通の約束。WebMCPは、Webページがブラウザ内のAIに道具を公開するための仕組みです。 名前は似ていますが、一般的なMCPサーバーとWebMCPは同じものではありません。
Cloudflareは2026年8月6日、設定を有効にするとページに橋渡し用の仕組みを加える、WebMCPの開発者プレビューを発表しました。元のサイトのコードを変更せずに導入できる設計で、既存の配信元を残して使うことも想定されています。Cloudflareの公式発表
ここで、ひとつだけ押さえておきたい点があります。発表時の機能は、画像の来歴情報を読むものと、すでに用意した自サイトのMCPサーバーにつなぐものです。スイッチを入れれば講座検索や予約の機能まで自動で作られる、という意味ではありません。対応するブラウザ・AIと、サイト側が提供する道具が必要です。WebMCPの機能と導入条件
冒頭の教室なら、「日程と持ち物を取得する道具」を用意する。その道具を使えるAIが、教室の最新情報を確認して案内する。これが、実現を目指せる使い方です。
なお、AI検索で必ず紹介される機能ではありません。AIが利用しやすい入口を整えることと、AIに選ばれることは別の課題です。
EmDashは、AIと一緒に記事を育てるためのブログ管理ツール
お客さんが情報を探しやすくなっても、サイトの中身が古いままでは困ります。
そこで登場するのが、EmDashです。
これは、記事や画像を管理するCMSという種類のソフトです。CMSとは、毎回プログラムを書かなくても、ブログやページを更新できる仕組み。WordPressで記事を書いた経験があれば、その役割はイメージしやすいでしょう。
Cloudflareは2026年4月1日、EmDashを「WordPressの精神的な後継」と位置づけて発表しました。WordPressのコードを流用した製品ではなく、新しく設計したオープンソースのCMSです。Cloudflare以外の環境でも動かせます。EmDashの公式発表
身近な変化は、AIに文章を作ってもらうだけでなく、記事管理の作業までつなげられることです。
EmDashにはMCPサーバーが組み込まれており、対応するAIから記事の取得、作成、編集などを行えます。接続には認証が必要で、使える操作は権限で制限されます。公開・予約公開の操作もあるため、誰にどこまで任せるかを決めて使います。EmDashのMCP公式仕様
例えば、講師が講座後に残したメモをもとに、こんな依頼が考えられます。
このメモから、初めての人にも伝わる開催報告の下書きを作って。分からない事実は足さず、確認が必要な箇所を残して。
さらに、同じメモからSNS用の短文や、次回の案内文を作る。こうすれば、一つの経験が複数の発信に生きます。これはAIとの運用例であり、EmDashが自動で全媒体へ投稿してくれるという意味ではありません。
実際の採用例もあります。Cloudflareは2026年8月12日に自社ブログをEmDashへ移行したと報告しています。その記事では、読者側のAIが記事を検索・取得するMCPと、著者側のAIが記事を編集するMCPを、別々に紹介しています。Cloudflare自社ブログの移行報告
つまり、「お客さん用の受付」と「運営者用の編集室」は分けられる、ということです。一般の来訪者に、記事を書き換える権限を渡す必要はありません。
WordPressに代わる選択肢として注目できますが、既存のテーマやプラグインがそのまま動くと考えるのは早計です。乗り換えを急ぐより、必要な機能がそろうかを小さなブログで確かめるのが現実的です。
Cloudflare OSは、サイト更新を日々の仕事につなぐAIの仕事場
もう一歩進むと、こんな願いが出てきます。
「講座のメモ、過去の記事、毎回使う案内文。まとめて見て、次の告知を手伝ってほしい」
そのための仕事場に当たるのが、Cloudflare OSです。
名前にOSとありますが、パソコンのWindowsを入れ替える話ではありません。ブラウザでAIと対話しながら、組織の資料や仕事の手順、接続したシステムを使って作業するためのプラットフォームです。
Cloudflareは2026年8月5日、新しいバージョンをオープンソースで公開しました。組織の知識を使うAIの作業場所、データへのアクセス管理、アプリや業務手順を作る仕組みを組み合わせています。既存のMCPサーバーと接続する経路も用意されています。Cloudflare OSの公式発表
ここまでの役割を、お店に例えるとこうなります。
| 仕組み | お店に例えると | 主な役割 |
|---|---|---|
| WebMCP | AIが利用できる受付 | 対応するブラウザのAIに、サイトが用意した道具を渡す |
| EmDash | 記事を作る編集室 | 記事や画像を管理し、認証したAIによる編集を可能にする |
| Cloudflare OS | 日々の仕事を進める事務所 | 資料や業務の道具をつなぎ、AIと作業する |
| Cloudflareの配信・実行基盤 | 建物と設備 | サイトやアプリを動かす土台になる |
これらを接続すれば、例えば「講座のメモを読む → 告知の下書きを作る → 人が確認する → サイトを更新する」という流れを設計できます。
この組み合わせは活用案です。EmDashとCloudflare OSが、導入した瞬間に自動で連携する標準セットだと確認できたわけではありません。 接続する道具と認証、任せる操作、確認手順を設定する必要があります。
Cloudflare OS側も、AIが最初から何でも読める設計ではなく、許可した資料や操作へアクセスさせる考え方を採っています。Cloudflare OSのアクセス管理
まずは公開済みの記事と告知用メモを使う。顧客名簿や学校・福祉の個人記録を混ぜる前に、扱う範囲を決める。小さな事業でも、この分け方が役立ちます。
「置くだけ」の先へ。最初は、よく聞かれる質問を3つ整える
「Cloudflareにサイトを置くだけで、強いAI対応ができる」
この話にわくわくするのは、とても自然です。別々に作り込んでいた機能を、同じ基盤の上で組み合わせやすくなっているからです。
ただ、正確には、「Cloudflareを土台に、AIが使えるサイトをつくるための部品がそろってきた」ということです。
WebMCPの有効化、AIが呼び出す道具、EmDashの導入、AIとの接続、Cloudflare OSの構築は、それぞれ別の作業です。サイトを移しただけで、すべてが動き始めるわけではありません。
例えばEmDashでCloudflare AI Searchを利用する場合も、公式手順にはプラグインの登録や接続設定、既存記事の同期が含まれます。検索できるようにする情報を、きちんと準備する工程があるのです。EmDashのCloudflare導入手順
では、今日できることは何でしょう。
お客さんからよく聞かれる質問を、3つ書き出してください。
教室なら「初心者でも大丈夫?」「持ち物は?」「次の開催日は?」。お店なら「営業時間は?」「取り置きできる?」「受け取り方法は?」。
その答えが、今のホームページに正確に載っているかを確かめます。次に、その3つへ答える手伝いだけをAIに任せる。更新を手伝ってほしいなら、告知記事1本の下書きから始める。
WebMCPを有効にすれば、すべてのAIに見つけてもらえるわけではありません。EmDashを使えば、取材や事実確認が不要になるわけでもありません。それでも、情報を整え、それを使う道具を用意することは、繰り返し作業を減らす具体的な一歩です。
冒頭の夜9時半に戻りましょう。
目指したいのは、AIが派手な文章を量産することではありません。同じ説明を何度も打つ時間や、更新画面を行き来する時間が減り、次の講座の準備や目の前の人に使える時間が増えることです。
AI相談では、AI活用を考えるときも、その人の仕事から出発します。自分のサイトで何を任せられるか迷ったら、AI相談で「よく聞かれる3つの質問」から、最初の一歩を整理しましょう。
ホームページに、AIが働ける入口を。人には、人と向き合う時間を。
公式情報の確認日:2026年9月18日。製品の提供条件・対応環境は変更されるため、導入時はリンク先の最新情報を確認してください。図版は説明用のAI生成イラストです。